結局人生50歩100歩 じゃないかもしれない。

中編:憧れは色あせる:20年ぶりに森瑤子の『情事』を読んでみた。

2012-02-20 Mon 18:30
前編からお読みください。

1978年に書かれた森瑤子のデビュー作
『情事』を読み直そうとした私だが
電子書籍ではエッセイ1種類しか見つける事が出来ず
駅構内の小さな本屋には取り扱いが無く
BOOK OFFの105円コーナーで
やっと目的の『情事』を発見。


情事 (集英社文庫 143-A)情事 (集英社文庫 143-A)
(1982/04/20)
森 瑤子

商品詳細を見る


BOOK OFFの森瑤子の棚には
想像以上に沢山のタイトルが並んでいて
彼女がデビューしてから亡くなるまで
たった15年程の作家人生だったにもかかわらず
びっくりするぐらい短編と言えども作品を
世に送り出していたことに改めて思い出した。

背表紙のタイトルを見ただけで
あーこれ!!!と思い出せるものが
いくつかあった。



『東京発千夜一夜』

ああ、これって朝日新聞の連載小説で
毎日楽しみに母と今日の森瑤子の出来を
評価しながら読んだなぁとか

「夜のチョコレート」

「非常識の美学」

非常識の美学 (角川文庫)非常識の美学 (角川文庫)
(1995/02)
森 瑤子

商品詳細を見る


「終わりの美学」

終りの美学 (角川文庫)終りの美学 (角川文庫)
(1998/11)
森 瑤子

商品詳細を見る


この辺のエッセイは雑誌に連載されていて
リアルタイムに読んでいて
それらをまとめたもの。

彼女の全盛期、沢山雑誌に連載を抱え
内容がかぶりまくっていたことを鮮明に思い出した。

そして、無理をして書いているな と
読者が感じてしまうくらい
悲壮感が文章から漂ってきていたことも
フラッシュバックのように思い出した。

最も印象に残っているのは
バブル絶頂期にイタリアンが流行った時の
ティラミスの話である。

斜に構えてポジショントークし
「解ってる作家の私」を必死に演出していたのか

ティラミスをこき下ろすその連載を読んだ時
なんとなく彼女の限界を見てしまったような気が
実はしていたのだ。

流行ってるものをとにかくなんでも批判すると
わかってる風が装えてカッコイイ。

超売れっ子女流作家で
ハンサムウーマンと持て囃されて
勘違いをしているんだろうなと、
1992年の私はその雑誌を母に見せながら
リアルタイムで批判した事も思い出した。

母はどこかから漏れ聞いたのか
実は英国紳士実業家の奥様の肩書きも
実際はずいぶん違うらしいわよと教えてくれた。
(実際、この辺のリアルストーリーは
彼女の死後暴かれいまや誰でも知っているのであるが)


よく考えると最後に森瑤子をちゃんと読んだのは
一体いつだったのか?

その後私は親元を離れ東海岸で生活するようになり
いつしか森瑤子のことを忘れ
そして時たま思い出して
日本に帰国する際に買い求めたり
そして他の国へ行く為に蔵書を処分したりと
時間が経過した。

いま手元にたった一冊残る
「デザートはあなた」

デザートはあなた (朝日文芸文庫)デザートはあなた (朝日文芸文庫)
(1995/02)
森 瑤子

商品詳細を見る



読み返したのは10年も前のことだ。
アメリカに戻る飛行機で読もうと
再度購入したものなのだ。

何故この本なのか?
ドラマ化されてとても印象に残ってた
ただそれだけなんだけど。
いまでも主人公の大西俊介:岩城滉一が
料理をする姿が鮮明に焼きついている。
忌野清志郎もでてたね。

とおもったらすごい!ようつべに落ちてたので
実はブログを書くのをやめてずっと見てました。
岩城滉一が若くてびっくりしたし
料理にあわせる酒がワインではなくビールなのも
食事中に登場人物が煙草を吸う場面があったりと
時代を感じるわ。

『デザートはあなた』で紹介された
オイルサーディン丼なんて
私の周りでは一時ブームになったほど。

懐かしい題名を前に
いちいちいろんなことが思い出された。


自分の中では20年前の1992年くらいに
タイムスリップした感覚で
すさまじい数の彼女の作品たちを
題名とともに感慨を持って
一つ一つ思い出していた。


いつしか彼女より多く旅をして
多くの経験を積み
いろんな事を知る自分になった。

初めて森瑤子の作品と出会ってから
四半世紀

作家 森瑤子 に憧れ、
彼女のように旅したいと願っていた
あの頃の夢が叶ってしまった後は
すっかり忘れて彼女の作品から
まったくと言って良いほど遠ざかっていた。


その後のアポイントで移動する事を無視して
私はその棚にある森瑤子の文庫本を
すべて家に連れて帰ろうかとおもった。
だって1冊105円だし、
本は大人買いするのが子供時代からの慣例だし。
(本好き一家だったので本を好きなだけ買う事は
我が家では合法だったのだ)

なので、棚全部買いを目論んで
店内の買い物籠を探そうとしてふと思いとどまった。

果たして全部買って全部読んで
もう一度「うわっやっぱり森瑤子ってカッコイイ!」と
感動できるのか?自問自答してしまったのだ。


既に過去のどこかの時点で
もしかしたら越えてしまっているかもと
感付いていたのかもしれない。


今日は『情事』ともう一冊だけ買って読み返し
もう一度「うわあ!」って思えたら大人買いしよう。


迷いに迷って目的のデビュー作『情事』のほかに一冊
に決まったのは

『ホテルストーリー』

ホテル・ストーリー (中公文庫)ホテル・ストーリー (中公文庫)
(1999/09)
森 瑤子

商品詳細を見る


いつもの私なら
文章を読むのがめちゃくちゃ早いので
もって帰るのが重いとか
今すぐ読みたい衝動に勝てないとかだと
ちゃっちゃと立ち読みで一冊読んでしまう程なのだが

この二冊に関しては
移動中もページを開かないで望んだ。


だって、
きちんと作家 森瑤子と向き合うには
読むという環境を整えるのが
礼儀だと思ったからだ。



またまた続く。




関連記事

「本」 | コメント:0 | top▲
<<後編:憧れは色あせる:20年ぶりに森瑤子の『情事』を読んでみた。 | TOP | 前編:憧れは色あせる:20年ぶりに森瑤子の『情事』を読んでみた。>>
コメント
コメントの投稿









| TOP |
レンタルCGI [検索ワードのランクをもっと見る] ブログパーツ [人気ページのランクをもっと見る]