結局人生50歩100歩 じゃないかもしれない。

簡易版2016 「なるべく安全に飛行機から脱出する方法を教えます」あなたもできる飛行機からの脱出

2016-12-11 Sun 00:00






最新版はこちら↑↑↑


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「自分は飛行機に乗り慣れてるぜ」
と自負している皆様へ
今日は飛行機に乗る際の安全知識が
あるかどうか確認テストをします。
以下6つの質問を
よく読んでお答えください。



問1
A320/B737の非常口座席は
足元が広い良い席なので
常連の俺様が座るべき席。

緊急脱出の際は援助することに同意し
めでたく広い席ゲット。

ところが、
なんとタキシング中に
突如機内に煙が発生、
脱出しないといけないみたい。

煙で客室乗務員の姿は見えない。
パニックになった機内。
どうすればいいか、
指示も全く聞こえない。

脱出の判断はなんと
自分でしないといけないようだ、

機体中央の非常口座席に座ってる
あなたはどうしますか?


問2
以下の単語を英語でなんというか
今ここですぐに頭に浮かびますか?

「脱出」
「着水」
「脱出用滑り台」
「救命胴衣」

上から英語で元気よく大きな声で言ってみましょう。


問3
離着陸時にスリッパではなく
靴を履いていないといけない理由は?
また
ハイヒールが搭乗に適さない理由を述べよ。


問4
夜間の離着陸時に
機内の客室照明が暗くなる理由はなんですか?


問5
離着陸時に荷物を適切な場所に収納したり
テーブルや窓の日よけ、
リクライニングとフットレスト
を元の位置に戻したりするのは
なぜでしょうか?


問6
救命胴衣の位置
自分が脱出する非常口の位置
はどうやって確認するのが適切か?





「俺様は飛行機乗り慣れてるぜ」
「すげーだろ、俺ミリオンマイラー」
「年間100回飛行機乗ってるぜ」

とか自慢するのに
間違った知識だったら
とっても恥ずかしいですね。

半分もわからないとかだと
さすがにそこら辺の素人と
なーんも変わりませんので、
ニワカがばれないうちに
このブログ記事を熟読して
上辺の知識でもいいので
ざ〜っと覚えて
ドヤ顔で飛んだ距離や回数自慢ついでに
どんどん周りに語ってください。

ミリオンマイラーのステイタスと
安全知識の実力があれば、
ドヤ度合いも上がるというものです。

それに確率論で言えば
たくさん乗ってるあなたのリスクは
全く飛行機に乗らない人より
明らかに高いのですから。




それでは順を追って
上記の問題の回答を書いていきます。


はじめに言っておきます。
この記事簡易版なのでかなり削りましたが
元は六つの記事に分けていたものを
大幅に加筆修正し簡易版にしたものです。

簡易版と言うからには
本当に触りだけなので、
詳細を全部読みたい人は
最後にリンクを貼っておきます。



ではまず
初心者コースから解説します。
テストの問題の順番とは
違ってますが、
一番点が取れそうな
ところから解説します。


まず一番簡単なこの問題から
解説する必要すらないと思うのですが
念のため。

問3
離着陸時にスリッパではなく
靴を履いていないといけない理由は?


これわからない人は
まさかいないでしょう。

脱出の際に裸足やスリッパでは
逃げられないからです。

まずスリッパ
日系エアラインでは
搭乗したらすぐに靴を脱いで
スリッパになってしまう人が多いが
あれはやめましょう。
スリッパに履き替えるのは
無事に飛行機が離陸したらに
しましょうね。

旅慣れた良い子のおやくそく。

日系エアラインはこの辺超ルーズですが
安全にめっぽううるさい
外資系エアラインでは、
裸足やスリッパでの離着陸は
禁止されてる会社が多いです。

客室乗務員の安全確認で
靴を履くように注意されますので、
素直に靴を履きましょう。

って言ったら、
「逃げる時になったら急いで靴を履くから」
って言った人がいました。

これぞ
「馬鹿なの?死ぬの?」
ですね。

そんなパニック状態で、
悠長に靴が履けるなんて甘いわ。
人間焦ったら、パーカーのファスナーですら
すんなり開け閉めできない
情けないものなのです。

靴なんかすぐに履けるなんて、
自分の能力を過信しすぎ。

それに
離着陸時に靴脱いじゃってるような
超間抜けな人が
もたもたすることによって、
例えば通路側で靴なんか悠長に履いてたら
窓側の客の脱出を妨げることになるよね。

靴を履こうとしゃがんだ瞬間に
パニックになった他の客に
突き飛ばされますよ。

そもそも
事故の衝撃で機内はぐちゃぐちゃになるので
多分散乱した何かの中に紛れてて
靴なんかどっかいっちゃいます。
従って優雅に靴なんか探せません。

そこら辺にある適当な靴を履いて逃げる?

あなたダイハード見なかったんですか?

あの映画ではブルースウィルスが
裸足でテロリストと戦う訳ですが
「靴があってもサイズが合わない」
ってシーンあったよね。
あれよあれ。

靴はあっても自分に合う靴はそうそう都合よく
目の前に転がってこないんですよ。

なんだか都合がいい展開になるはずの映画ですら
靴のサイズは合わなかったんだから、
現実の事故で靴がない、あー誰かの靴がある、で
その靴を履いて逃げることができるなんて
考える方がおかしい。

ごちゃごちゃ言ってないで
離陸着陸時なんて長くて30分。
素直に靴を履きましょう。
飛行機が停止するまで
いじましくスリッパや裸足に執着する
必要もない訳だし。

大人なんだから
その辺は賢くいてください。


同様に、ハイヒール、サンダル
かかとのない靴や足をホールドしない靴は
足に怪我をするので
安全に脱出するのに適してません。

何故ならスリッパと同じで脱出の際に
靴が適切でないと足を怪我して
逃げられなくなるからね

サンダルやスリッパみたいなのは
最悪なのですよ。

そんなもの履いて脱出しようもんなら
多分後ろから来た人に踏まれて、
転んだりする危険度が上がる。

ほらサンダルやスリッパの後ろを踏まれると
’つんのめる’
じゃないか。

最悪転んだら最後、
パニックになってる他の乗客に踏みつけられて
それで死ぬかも。
脱出する前に踏まれて死ぬって
間抜けですね。

それに踏まれて転ばなかったとしても、
サンダル、ビーサン、スリッパでは
事故で散らばったガラスや部品、
他の客の荷物など、散乱してる状態の
ぐちゃぐちゃな上を歩いたら、
あっという間に足を怪我するでしょうな。

サンダル履いてる時
足踏まれたら痛いよね。

足を怪我したら、
逃げられなくなるってのは
ちょっと考えたらわかること。

そして搭乗に適さない靴
ナンバーワンがハイヒール

まずこれ脱出の際に
「ハイヒールは脱いで」
英語なら
No High heel shoes!

って言われます。

理由は
脱出用のすべり台にヒールで穴を開けたら
そのスライドが使えなくなるし、
何より、あの不安定な滑り台を滑って、
着地し、走り抜けるという動作に
ハイヒールは全く適さないですね。

足捻挫して、これまた動けなくなって、
後ろから来た人に突き飛ばされて
踏みつけられるのが関の山。

ハイヒールは踏みつけるのには
適してるかもしれませんが
踏みつけられるのはごめんだと思うので、
飛行機に乗る時は
よく考えて靴を選びましょう。

さて次。これも常識問題
どころかサービス問題ですね。

問4
夜間の離着陸時に
機内の客室照明が暗くなる理由は?


暗視順応させるためです。
事故で機内の電源が喪失したら
いきなり真っ暗になります。
目が慣れるまで何も見えない
という状況を避けるためです。

なので明るいまま離着陸する
会社は安全を舐めてますね。

人間の目はそんなに便利に出来ていませんので。


まさか答えられなかった人なんか
いませんよね?

ではどんどん初心者質問を
解説します。
次も乗り慣れた皆さんには超簡単すぎましたね。

問5
離着陸時荷物を適切な場所に収納したり
テーブルや窓の日よけ、
リクライニングとフットレスト
を元の位置に戻したりするのは
なんで?



「魔の11分」離陸3分着陸8分
この間が飛行機事故は一番起こりやすい。

ズバリ簡単に言うとこれらは
脱出することを想定してスムーズに
乗客が安全に機外へ脱出するための
ルールなのである。

なぜ離着陸時に荷物は上の棚
もしくは前の座席の下に仕舞うのか?


離着陸時に荷物を膝の上に抱えていることは駄目で
足元や通路に無造作に置くことも駄目なのは何故か
脱出の妨げになるから。
そして上の棚や前の座席の下に置くのも
なるべく荷物が散乱しないようにという事から
そう決められている。

なぜ自分の座席の下ではなく
「前の」座席の下なのか。
それは自分の座席の下に
救命胴衣がセットされてるから。

よく自分のふくらはぎの裏と座席の間に
アタッシュケースみたいなのを
挟んでる人いるけどあれもダメ。
とにかく荷物は前の座席の下なのである。
(ビジネスやファーストはシート形状で
ルールは異なる)

なぜ離着陸時にテーブルと
リクライニングを元の位置に戻すのか。

これも脱出を想定すると、
邪魔だから、
席から立ち上がり非常口まで
たどり着くのに、
座席をリクライニングしてたり
テーブルが出てたら、それが障害物となり
脱出が遅れるからである。

フットレストなんか蹴躓いて怪我しますんで、
着陸時は指示のアナウンスがあった時点で
ちゃんと元の位置に戻しましょう。

なぜ離着陸時に窓の日よけ(シェード)をオープンするのか。

20161008190817f08.png


これも脱出するときに外の状況がどうなってるか
判断するときに
窓の日よけ(シェード)があいてないと外が見えないから
開けて離着陸するのです。

20161008181713f12.jpeg


事故ってから、脱出しなきゃならん時になってから
日よけ(シェード)なんか
あけてる暇なんかありません。

瞬時の判断が生死をわけるのです。

窓の外を見て火がついてたら、
そっちのドアからは逃げたら危険でしょ、
滑走路を外れて海に落ちてたら?
窓の外を見ないと、
どんなところに墜落したのか、
オーバーランしたのかわかりません。

窓から外を見るのは
脱出の際の判断や決断をする上での
大事な情報源なのだよ。

それを閉じてしまうことは非常に怖いことなのです。


サービス問題の最後はこれ

問6
救命胴衣の位置
自分が脱出する非常口の位置
はどうやって知る?


救命胴衣
各社あまりにバラエティーに富んだ
ビジネスクラスやファーストクラスの
いろんなシートを設置してるので
一回一回搭乗時にライフベストの位置を
事前に確認してないと
いざパニックになったら
もうわけわからないと思うんで
必ず手で触って目視と指差し確認
しておきましょう。

確認三秒、怪我一生
怪我ならまだいいけど
溺れ死にたくないですからね。

救命胴衣の設置場所は
セフィティービデオをよく見てると
出てきます。


救命胴衣の他に席に着いたら
位置を確認する必要があるのが
非常口です。

人は乗ってきたところから逃げようとする
習性があるんだとか、
なので、飛行機の前方、
そう搭乗してきたドアからしか
脱出もできないと思い込んで、
とにかく前方ドアに人が殺到するであろう。

これを知った上で、
自分の席に近い脱出口は三ヶ所くらい
指差し確認しておきましょう。

特に後方のドアの位置は覚えておいて損はない。
一度確認していると
咄嗟の際に目につく効果があります。

一ヶ所じゃ何故不充分か?
それは事故の際に飛行機はどういう位置で緊急停止するか
全くわからないからだ。

過去の事故機も着陸進入してきた方向から回転し
滑走路で最終的に停止できたのは逆向きになった状態
だったりします。
車がスピンした事故現場みたいなものですね。

だから、その時になってみないと
機材の右側から脱出出来るのか
左側しか開かないのか、
はたまた機首のみすでに海中落下など。
状況で使えるドアが何処なのかわからないのだ。

この場合は非常口がせっかくいろいろあるんだから
好きなとこ選べる〜とポジティブに思って、
脱出に適切なドアから
すたこらさっさと逃げましょう。




ここまでが初心者コース。

基礎中の基礎問題ですので
日頃「乗り慣れ」自慢をするような
皆様には簡単すぎました。

もちろん1問も間違えずに
ここまで読み進めたはずですね。


さてここから先は
中級者コースです。
英語の得意なあなたに
ぜひ答えてもらいたい問題です。
(JALかANAかにしか乗らない
って人には関係ない話です。)

問2
以下の単語を英語でなんというか
今ここですぐに頭に浮かびますか?

「脱出」
「着水」
「脱出用滑り台」
「救命胴衣」

外資系エアラインでは
緊急時親切に日本語での脱出指示は
一切ありませんので。


「脱出時に覚えておくべき英単語」です。

まず答えから

「脱出」 evacuate

「着水」 ditching

「脱出用滑り台」evacuation slide

「救命胴衣」lifevest


何を言われてるのか
全くわからないと恐怖も増しますが
どうすべきか指示がわかるというのは
状況が想像できてこそ。

なのでまずは英語で
重要単語だけピックアップ解説します。

だって、そんな緊急時に
いろんな単語を覚えても
思い出せないでしょ?


という訳で
今回覚えるべき単語は
2つだけ!
なんとたったの2つです。
知ってるのと知らないのとでは大違い。

脱出時に覚えておきたい英単1個目
evacuate/evacuation


もっとも大事な言葉は

「えばきゅえーと/えばきゅえーしょん」です。
エマージェンシー用語では「脱出せよ」という命令ですが
これ軍隊で「撤退しろ」ってのがもともとの言葉ですね。

で、飛行機の中で一番偉いのは機長
墜落した際に機長が生きていれば
機長の判断で「脱出せよ」「evacuate」
とアナウンスが流れるわけですが、
飛行機が損傷してアナウンスシステムが使えない場合は
EVACアラームが鳴ります。
ぴーぴーぴーぴーぴーぴーって連続した音なので
この音がなってたら一刻も早く機外へ逃げろ
それこそ「撤退!」命令なので
一目散に逃げましょう。

ここでも乗務員がパニクって使い物にならず、
指示も出してくれない場合
言葉がわからない場合
一体どうすればいいか不明な場合は
このEVACアラームが鳴っているかも
自身の判断基準に使えます。



脱出時に覚えておきたい英単語2個目
ditching

例えばいきなり「でぃっちんぐー」って叫ばれたら
それが何を意味するかわかるでしょうか?

ディッチング(ditching)とは
飛行機を水上に不時着させることです。

landing on the water

とは言ってもらえませんので
「でぃっちんぐって何?」と思って状況を把握するのは
飛行機が浸水してからかもしれません。


なので、乗務員が日本語なら「着水」
英語でなら「ditching」と叫んだら
すぐさまやることはLife vest (救命胴衣)の装着です。

ここでまともに訓練を受けた使える乗務員なら
「ditching」と叫んだ後に条件反射で
救命胴衣の装着手順をそのエアラインの公用語と英語二ヶ国語で
説明しながら乗務員も自ら救命胴衣を着ると思うんだが、

乗務員がパニックになって使い物にならん場合
救命胴衣の事まで頭も回らないことが予測されるため
とにかく「ditching」と聞こえたら、説明がなくても
エコノミーなら自分の座席の下、
ビジネスクラス、ファーストクラスならその席依存

20151203144641bad.jpeg

事前に救命胴衣の位置を確認してるでしょうから
そこに手を伸ばして
救命胴衣を取り出し、
頭からすっぽり被って、
ウェストのところで留め具をかけます。
でもここでは
絶対膨らませないこと(←ここ重要)

ここで救命胴衣に空気を入れてしまったら、
膨らんだ救命胴衣が邪魔で脱出口までいけません。
足元も見えないし危険です。
膨らませるのはあくまでも
救命ボート(ラフト)に乗りうつる時です。

機内で絶対に膨らませてはいけません。


えばきゅえーと、と
でぃっちんぐを覚えたら
もう怖いものはありません。
あなたも出来る飛行機からの脱出に
また一歩近付きました。
さあ、上級者コースに進みましょう。

20151203193835b1a.jpeg

問1
A320/B737の非常口座席は
足元が広い良い席。
緊急脱出の際は援助することに同意し
席をアサインしてもらいました。

ところがなんとタキシング中に
機内に煙が発生し、突如
脱出しないといけなくなります。

近くに客室乗務員の姿は見えない。
パニックになった機内。

どうすればいいかの指示もこない。

脱出の判断は自分でしないといけないようです。
さあどうする?




最初の問1は上級者コースの問題。

「非常口座席が足元が広いから」
なんて理由で選んで乗ってるあなた。
さぞ飛行機に乗り慣れてることでしょう。

チェックインの際に
「非常口座席にお座りの場合
緊急脱出の援助をお願いします。」

なんて言われて
「任しとけ」とか
まさか雑に思ってないですよね。

非常口座席に座るなら今から説明することは
全部覚えて知識として身につけてください。
飛行機に頻繁に乗ってて
慣れてるあなたこそが
この席に座るにふさわしい旅客です。

もし乗務員が役立たずで
自分がドアを開けなければならなくなったら?を
できるだけわかりやすく書きます。

ただドアを開けていいわけではない
開けてしまったが為に死んでしまうこともあるので
ドアを開けるのは判断がとても難しいのです。

知っておかねばならないことは
運悪く自分でドアを開けないとならなくなった場合の
最低限の手順です。

なので一般的な旅客が非常口ドアを自分の判断で
開けなければならない可能性の一番高い機材の
シチュエーションで考えました。

A320/B737は非常に多くのエアラインが所有し
世界中飛んでいる機材。

この機体中央(翼上)に
「窓型タイプの脱出口」がある機材
非常口座席に乗ってることを
想定して書きますね。

なぜこのタイプの非常口の開け方を
取り上げるかは
ちゃんとした理由があります。

ここ非常口座席にもかかわらず
客室乗務員が座ってないんです。
機首と後尾にしか客室乗務員が
座ってないのでここが一番遠いんです。
要はなんかあったら
指示してくれる人がいないのだ。


窓型タイプの脱出口のある非常口に
座ってしまった場合
覚えておくべき英単語2つ
頭に入ってますでしょうか?

「でぃっちんぐ」と「えばきゅえーしょん」です。

ここでドアの開け方を説明する前に
飛行機のドア(脱出口)には
緊急脱出用の滑り台兼救命ボート
が仕込まれているという事を
知っておかねばなりません。

セーフティビデオでも説明してますが
緊急脱出用のスライド(滑り台)というのは
ディッチング(着水)の際は
救命ボートにもなる2way形状のものが多いです。
多いですって書いたのはわざとよ。
全部じゃないの。

そう、このA320だのB737だのは
窓型脱出口には脱出用スライドも
ラフトも無いんです。
窓が外れるだけ。
2016121022555107a.png


よっこらしょと窓枠よじ登って
このように
2016121022555711c.png
翼上を伝って降りるという
超めんどうな脱出口なのだ。

飛行機ってドアの位置する条件で
救命ボートにもなるスライド(滑り台)か
それとも簡易EXITとなるか決まります。

ドアによってスライド/ラフトが
設置されてないところがあるんですね。
それが翼の中央の脱出口。

20161210225554215.png


乗務員が近くに座ってない
LCCなんかでは足元広いシート
として売られてるあの席です。

非常用の脱出口ってそうそう簡単に
訓練を受けてない人が
勝手に開けちゃダメなので
ドアの場所によって救命ボートにはならん
滑り台というのもあるという
ざっくりとした基礎知識が持てた
頭いい人は
なぜ「でぃっちんぐ」という状況がわかることが
大事なのか?はもうわかったと思います。

滑走路を滑ってそのまま海中にドボンしちゃった場合
条件が整わないと開けられないEXITがあることを知らないと
大変なことになるからです。

日本の空でも沢山飛んでるB737やA320。

B737のシートマップ
20161210230902f3f.jpeg

この図をご覧いただければ窓型脱出口が
どの辺りにあるのかわかりやすいと思います。


さっきも書いた通り
機体中央の非常口座席等には
乗務員が近くに座ってないので
勘違いした正義感あふれる意識高い人が
援助を了承して座ったがために、
勢いで開けてしまう場合があるかもしれず。

そしてそんなパニックの際には
乗務員は機体真ん中まで
やってくることはあり得ないでしょう。
てか、混乱状態でそこまで到達できない。

その時、外の状況を見て、
適切ではない(着水してる等)
誰かが勝手に開けようとする場合は
そいつを羽交い締めにしてでも
開けるのを止めないといけません。

さあここで、
窓型脱出口を外す際のジャッジメントっていう
重要な儀式が出てきます。

自分は機体中央の非常口座席に座ってるけど、
乗務員は前と後ろにしかいない。
判断は自分でしないといけない。
脱出OKのEVAC警報は鳴り響いている。
さあどうする。

まずは前か後ろに逃げましょう。

2016121023205940e.png

え?開けないの?と思った方
そりゃそうです、
素人が触らないほうがいいに決まってます。
それにさっきも言った通り
窓型脱出口はうまく出られたとしても
そのあと何も無いので
このように
2016121022555711c.png

翼を伝って下に降りないといけない
結構難関な仕様です。
それこそスリッパだのサンダルだの
ヒールだのでは無理です。

で、前も後ろもパニックで
もう出られん、煙も迫ってきてて
万事休すってなったら
まずは窓の外を確認して頂戴、

すぐに窓型 EXITをはあけてはいけません。

まず窓から外を確認します。
確認することはこの4つ

水位
ディッチングだったら、浸水度合いを見ます。
ドアをオープンできる水位か

スペースがあるか
EXITの外のスペースがあるか見ます。
例えば翼が折れて機体のほうに干渉してる場合などは
脱出口のドアは開けられないし
フェンスや壁に衝突してドアを開けても
脱出する隙間がなかったりしたら
その脱出口は使えないからね。
人が出られるスペースがあるかを確認して
開けることは大事なのです。

火災はないか
次は火災が起きてないか?
むやみに開けたら
火が機内へ入ってくるかもしれません。
火の中を華麗にスルーして脱出するのは
プリンセステンコーに任せて、
他のEXITへ逃げましょう。

燃料は漏れてないか
そして次に燃料が漏洩してないか見ます。
燃料が漏れてたら
そこに引火爆発する危険があるので
脱出経路としては不適切です。
翼は燃料タンクも兼ねているので
漏れた燃料に引火して爆発するかもしれません。
これもEXITを開けてはいけない状況です。


この4項目の確認が出来てはじめてEXITを開けてもいいのです。
窓型タイプの脱出口の開け方は座席の前にある
セフティーインストラクションという
安全のしおりみたいなのに書いてあるんで
非常口座席に座った場合は熟読しましょう。
20161210225553256.png


なので、このA320/B737等の飛行機だと
いくらちょっとだけ
他の席より足元が広いといっても
非常口座席って、
あんまり座りたくないなとおもうのでした。
機体の真ん中の非常口座席は
どの非常口からも実は最も遠いので。
逃げるの一番最後になっちゃうのよね。

そしてこのエリアには
客室乗務員もいないので
万が一の際に自分が
脱出口を開けなきゃいけないんだ
っておもうと気が滅入ります。
壁からこの特殊な窓型ドアを外すのは
今の私の力では無理だし。
ちなみに私がオールエコの時に座るのは
最後尾列です。
ファーストがあるときは2列目。

なぜ2列目か。
航空ヲタはアホ1と言って
1列目に座りたがりますが、
1列目って危険なのよね。
ギャレイ(飛行機のキッチンみたいなところ)に
機内食を配る重たい鉄のカートが設置されていて
事故の時や、乱気流の際に、
乗客がこのカートが吹っ飛んできて
怪我をする例が後を絶たず。

一番前の席は足元も広いし、
前の席も倒れてこないみたいな
いい席感覚がありますが、
ギャレイが近ければ
とても危険な席でもあるので
その辺も覚えておいて損はないでしょう。


参考にしてね。


20161210230900b35.jpeg


ANA
緊急脱出時の援助内容について|ANA

一部抜粋すると

・乗務員の指示に従い、
機外が安全であることを確認して
非常口を操作し開放すること


とちゃんと書いてあります。
要するに万が一の場合は乗客も非常口を開放する
可能性があるから開けてねって事です。
で、機外が安全であるか確認しろって
ちゃんとウェブには注意書きに書いてますんで
具体的に確認すべきことは

この4つ

1:着水してないか、水位は?
2:(スライドが開く、もしくは人が出られる)スペースはあるか?
3:外で火災は発生してないか?
4:燃料は漏れてないか?


を確認して開けるのですぞ。


さて、
上記の想定は
「近くに客室乗務員がいない非常口」
のお話でしたが、
国際線の大型機材の場合は
非常口座席はお見合い席と呼ばれてるほど
客室乗務員が目の前に座ってます。
こういう場合脱出案件になったら
非常口座席の人が頼まれることは
スライド(滑り台)での援助です。

脱出スライド
が膨らんだ後、
他のお客様を速やかに脱出させること
って書いてあるんですよ。

あの脱出用滑り台のことを
航空会社ではスライドって呼んでます。
シューターはテレビのみが勝手に使う
架空の言葉なので
きちんと
脱出用スライド
という言い方を覚えてください

テレビって本当ろくなこと言わないな
と思います。
航空会社では安全ビデオですら
シューターとは言ってません。
(そもそもシューターって何?)

正確には脱出用スライドなのです。
救命ボートと兼用になってるものは
「スライド/ラフト」と呼びます。

実際外資系の英語しかないセーフティビデオでは
「Slide」と表現しておりますので
言葉は正しく覚えること。

なるべく怪我をしないでスライドを滑る方法について
まずは説明しますが
今日をきっかけに
シューターではなくスライド
いますぐ知識を上書きしてくださいね。

それでは安全に脱出用スライドを滑るには
何が大事かを書いていきます。



滑る時の姿勢
寝て滑ればスピードが出るので
とにかく前傾になるくらいの姿勢を意識してすべる。


プールのウォータースライダーや
冬季オリンピックで寝っ転がった姿勢で
もうスピードを出すソリの競技があるけど
あの原理を思い出してください。

要は抵抗が少なければ滑るスピードは上がり
抵抗が多ければ滑るスピードは落ちます。
ですので、上体を起こして滑るのです。

具体的にはこの姿勢で滑ってください。
ana スライド

今貼った画像はとてもわかりやすい動画があったので
該当部分を切り出したものですが。
私が言葉で説明するよりANAのセーフティビデオを見た方が早いわ
スライドの滑り方、立ち上がり方、走り抜け方が
全部映像で説明してある素晴らしい出来のビデオになっております。

ANAの安全ビデオは2015年2月から制服改定をきっかけに
新バージョンになって、スライドでの脱出姿勢が
非常にわかりやすく映像化されております。

201512071240467f2.jpeg


2分58秒からご覧ください。

ANA 非常用設備案内ビデオ / ANA Safety Demonstration Video



これでもよくわからない人は公園の滑り台で
自分で滑って実験してみるべし
仰向けに寝た状態で滑り台をすべるのと
上体をおこして「 コ 」の形に近い状態で滑るのとでは
滑るスピードが変わります。

スライドを滑る時の怪我は大体加速がつきすぎて
スライドの最後の部分で勢い余って
転んだりするのが原因です。

なのでスピードが出過ぎないように上体を起こす。
もっと言えば足を揃えてぴったりとくっつけると
速さは増しますが、足を少し開けば抵抗が大きくなるので
足を肩幅に開くのもスピードを緩める事が出来る
テクニックです。

ブリティッシュエアなんかの安全ビデオでは
スライドを滑る時の腕の位置は
胸の前でばってんにしてますが
ANAは腕を前に伸ばしてと
「コ」の字型になって滑るように指導してます。

私はANA方式を推します。

理由は胸の前で手をばってんにすると
スライドを滑って降りた際に
手が使えず、バランスを崩して転ぶだろうから。

着地の際スライドが終わる部分で
走り抜けるのが正しいので、
冗談抜きで公園の滑り台でイメトレするのが
一番いいとおもいます。



スライドの降り方
どっこいしょと立ち上がらず、
滑るスピードを使って、勢いで走り抜けること。

ANAの安全ビデオ内でも3分10秒あたりで
説明されているように。
滑ったら止まらないでそのまま走り抜けるのです。

公園の滑り台も最後に滑るに任せて何もしなければ
ドテっと尻餅をついて着地しちゃうでしょ。

普通はそうなると痛いから滑り台の終わり部分で
足をついて立ち上がるよね?

そして後ろから人が来てたらぶつけられるので
滑り台からすぐ離れるでしょ。
あれです。

ほんと、スライドを滑る練習したい人は
今すぐ公園に行って滑り台してくるべし。
(不審者に思われると困るので、子供に一緒に
行ってもらうとか工夫は必要でしょうが)



脱出口からスライドを見たら?

トルコ航空のセーフティビデオが
他のエアラインに無い視点でカメラを設置し
滑る感覚がわかりやすく説明されてますので
これは、どんな感じに見えるのかを知る上では
参考になります。

201512071247015e2.jpeg

2015120712470290b.jpeg


3分33秒あたりをご覧ください。
Turkish Airlines Safety Demo



さて、ここまで読んだ方々は
もう離陸前にスリッパに履き替える気もとっくに
失せているでしょうし
ハイヒールやサンダルで飛行機乗るのはやめよう
くらいは思い始めたかなと?

服装だって、いままで着てたものでは
スライド滑れないし、翼上を歩けないかもと
考えてるんじゃないでしょうか?

旅慣れた人は体を締め付けないマキシワンピに
かわいいサンダルで搭乗しますとか
口が裂けても言えない気持ちになってない?

短パンとビーサンでサングラスして
乗り馴れた俺様を演出する気になる?

今まで書いてきたことを読んだら
これらが搭乗に適していない服装と靴だということが
きっとわかると思います。

ドレスコード云々ではなく
安全のためにね。

ここまで読めばさすがに
怪我しないように脱出スライドを滑るには
どんなものが適切なのか、
実感としてわかってき来たとおもいます。

スライドを滑る際に、走り抜けるには
どんな靴が適切なのか。

どんな服装で乗るべきなのか。

考えればおのずと答えは出ますね。

夏だからといって飛行機にハーフパンツで
毛むくじゃらの足を露出して乗ってくる
男性諸氏を見てると
ドレスコードの点も褒められたもんじゃないけど
安全面でもなーんも考えてないんだなと
ちょっと思ったりするのでした。

こういう人たちって確実に靴もサンダルや
ビーサンなのよねー。


最後にドレスコードよりも何もよりも
やはり重要なのは
パスポートはズボンのポケットに入れる。
脱出の際に荷物からパスポートを取り出す暇はないので
とにかく搭乗中は常時身につけてます。
なんかあった時にパスポートがあれば
海外では自分が誰だか証明できるので。


具体的な事故を例に出すと



00:39あたりを見ると客室内の窓から
黒煙を上げながらエンジンに
火がつく恐ろしい場面が見られます。


2015年ラスベガスの空港で出発しようとしていた
ブリティッシュエアウェイズの777がエンジンから出火し
滑走路上で搭乗者全員が緊急脱出した事故があったけど
あの時多くの馬鹿者が上の棚から巨大なピギーバッグを
引っ張り出し、それを持って脱出したことが
とても危険だと専門家から指摘されてます。

あれ、ニュースでは
「命と洗面道具どっちが大事なんだ?」と
突っ込まれてましたが。

ほんと荷物持ってスライド滑ろうなどという
馬鹿な考えはやめてほしい。
航空会社はこういう事故があって
荷物燃えちゃったとかなら、
あなたの持ってるバッグより
もっといいバッグが買えるお見舞金を
出してくれるはずだから。
その辺はキッチリ無事に怪我なく脱出して
お金をちゃんと貰えばいい話ですね。

こういう緊急脱出の場合荷物の中に
貴重品やらパスポートやらを入れちゃってると
取り出す時間もないし
荷物持って脱出しようって短絡的に思うんだろうけど、
パスポートと現金とスマホを身につけてれば
そんなロスタイムなしに脱出できるので
ちょっとその辺は工夫しなさいって
おもうのでした。








20161008183459dc0.png


「自分は飛行機事故なんかには遭わないよ」

と根拠ない自信をお持ちの皆さん
私もそう思ってました。
航空機の墜落に遭う確率は低いと。

しかしどうでしょう。これ

2015年3月デルタ航空がNYCで着陸の際雪で滑って
フェンスに突っ込んでみたり

2015年4月にはアシアナ航空のA320が広島空港で
着陸失敗する事故があり。

2015年9月にはブリティッシュエアウェイズが
ラスベガスでエンジン炎上してみたり

2016年2月23日に新千歳空港でJALで
機内に煙が充満したり

2016年5月には羽田で大韓航空が
エンジンから出火、火災事故。

脱出案件は結構多いのです。

これらの事故の共通点は
乗客が速やかに機外へ脱出して
大惨事を免れた
「脱出したから助かった」事故だ
ということ。

これって墜落して死んじゃうことは
あんまりないけど、
大惨事を回避するために機長の判断で
(大事をとって)脱出させられることは
ありうるということなのだ。


あなたが脱出に関する基礎知識を持ち
事故に遭遇して脱出する際に
冷静でいることで、
自分も助かるし
周りも助かる確率が上がるのである。
あなたの知識で
より多くの人の命が守られるかもしれない。


今回のこの記事では
もし脱出せねばならなくなったら
どうするべきなのか
素人の皆さんにわかりやすいように
基礎知識を授けました。

使うことがないのが一番いいのですが
まずは基礎知識を持ってることで
少しでも安全で適切な判断ができるように
なっていただけたらと思い
これを書きました。

万が一の際に頭の隅に残ってて
何も知らないよりはマシだったくらいの
役に立てるといいのですが。

その前に、脱出なんてしないほうがいいに
決まってるよね、

そしてもう一つ、

乗客も乗務員も実際に脱出したことはありません。
万が一の場合は恐らく全員が

「脱出は初めて」

ってことになるでしょう。

従って、乗務員が使い物にならなかったら
これを読んだあなたが自分の命を助けないと
いかんことになるかも。

「人に頼るな、自分に頼れ」


くれぐれも、
この知識が皆様の役に立たないことを祈ってます。

(事故で飛行機から脱出する場面なんて
実際に経験する必要ないですからね)

皆様が飛行機で楽しく安全に
旅ができますように。


最初にこれは簡易版だと書きました。
もっと詳細なことに興味が有る方は

こちらからオリジナルの六記事を
ゆっくりお読みください。







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