結局人生50歩100歩 じゃないかもしれない。

ANAが好きだからこそ心底がっかりした話。「なぜANA旅作webムービー【魔法のチケット】が不快に思えたのか分析してみた」

2016-10-11 Tue 23:30
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まずはじめに
私はANAがとても好きである。

いろいろ文句は言ってるが
でもやっぱり好きなのである。
(ちょっと?って思うことも勿論あるけどね。)

ANAが好きっていうのは
厳密に言えば
ANAという会社が好きなわけではなく
現場にいて私と関わってくれる
スタッフの皆さんことが好きなのだ。


理由は現場のスタッフ方々が
とても好感の持てる接客をし
頑張ってくれて
私の旅が快適になるように
全力で毎回毎回助けてくれるからだ。

ANAは常にマニュアルではなく
血の通った接客をしてくれるのだ。
そんな現場のスタッフたちにどれだけ私は
助けられ安心させてもらって
寛がせてもらい、そして救われてきたか。

まずANAの現場のスタッフの方々に
感謝の気持ちをちゃんと伝えてから
このエントリーを書き始めたいと思う。

ANAのスタッフの皆さん
今日まで私の旅を助けてくれて
寄り添ってくれて
共感してくれて
一緒に悩んでくれて
本当に心強く安心して旅が出来てきました。
ありがとうございます。

そしてこれから書くことは
ANAのスタッフの皆さんの現場での頑張りを
誰よりも良く知ってる私だからこそ
書きたいことなのだとご理解ください。


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では
「ANAが好きな私がANAに心底がっかりした話」
始めます。


最近大手企業のデリカシーのない
CMがよく炎上する。

「これがなんで問題に?」
ってものから
「そりゃこれ流したらみんな怒るわ」
ってものまで様々である。

日本だけでなく米国でも
つい最近はアメリカン航空が
やらかしてニュースにもなってた程だ。

そしてなんと我らが?ANAまでも槍玉に。


ネットでANA旅作のWebムービーが
炎上してたので見てみた。

見てない人のためにざっくり説明すると

この「魔法のチケット」という
webムービーは
ANAの旅作という旅行商品を紹介する
いわばお話仕立ての長いCMみたいなもの。

このムービーのお話の設定は
家族の数より一枚少ない
「ANAでどこでもいける夢の航空券」
ANAが子供に渡して
誰を置いていくか子供に決めさせる
という非常に悪趣味な設定の
まさに感動ポルノと言われるものだった。

このANAの旅作CM?webムービーを見て
私は心底がっかりして
それから怒りが湧いてきて
どうしようもなかった。


怒りの理由?

大きくは三つある。


まず一つ目
「家族(子供)にネガティブな選択をさせることの愚かさ」

まず初見の時に感じた嫌さは
これ設定が旅行だから誤魔化されてるけど
よく考えたら家族を一人捨てるって
両親が離婚する時に
家族バラバラになる
お父さんお母さんどっちにを取るか
決めさせられるみたいな
残酷さだな
とふと思ったこと。

このwebムービーのANA旅作の設定の光景は
チケットという話になってるけど
家族の数よりくれるチケットの枚数を
一枚足りなくして
連れて行かない家族を一人切るなんて
あまりにも残酷って思った。

夢のチケットなのに魔法のチケットなのに
夢がなさすぎるし
そもそも選択の方向性が
家族の中で「誰を連れて行かないか」決めさせるって
あまりにもネガティブすぎる。

マイナスの方向性で負荷をかけると
負の感情が想起されるのは当たり前だ。

なぜならそれは幸せな選択ではないからだ。


二つ目
「感動ポルノと呼ばれる悪趣味な作り」

見てる人の感動を引き出したいという
ゴールありきでANAが出した設定というか条件、


「魔法のチケットあげます、でもね
あげるのは家族の数より一枚足りない」



子供役にぬか喜びさせて
最後にがっかさせるような卑怯なことをして
演出として
「子供の気持ちを試す」というとんでもないことを
視聴者に見せ、

子供がチケットを返したことに
感動し涙する親を見せてお涙頂戴って話
まさにこれ今年の24時間テレビで
問題になってた
「感動ポルノ」ではないか。

「わざとネガティブな選択を強いて、
それを我慢して乗り越えたこと」


を一種の幸せ理想の家族像劇としてみせ
感動を煽るって悪趣味にもほどがある。


三つ目

「多様性の排除」



最後のオチは
「どの子もチケットを完成させなかった」
という胡散臭い結末。

これもANAが設定したゴール
「家族全員で行くから旅は楽しい」
補強するためのもの。

これね
家族関係マイノリティへの
恐ろしく配慮のないメッセージを
出してることに気がつけないなら
ANAは企業として
致命的に鈍感すぎる。

ANAは国際線を運航する航空会社なので、
グローバル企業としてANAが出す
一つ一つのメッセージは
いろんな意味を持つようになる。

ANAが会社として
どんな思想でやってるのか
こういったwebムービーなんかは
一つの指標となるのだ。

世界中に路線を持ち
多種多様な乗客を乗せるという
業態の性質上
多様性への配慮みたいなものに
どの企業より敏感でないとならない。

これに関してはどこよりも
責任の重さが違うと思ってる。


本来多様性に配慮した上で
現実に即した答えならば

「お父さんは忙しいから置いていく〜」
「お母さんは家族の世話から休ませてあげたいから家で留守番」
「子供達だけで冒険旅行したい」
「友達誘っていい?」
「両親だけで行ってきて」

などいろんな答えがあって当たり前のはずなのに。
各家庭の事情は様々であるというのを
まるっと無視して

「家族みんなで行けないと楽しくない」
の都合のいいゴールだけを目指した結果

「チケットを完成させた子は誰もいませんでした!」

ってドヤ顔されても
こっちはもやもやするだけだって。

この模範解答は一つだけ
みんなで行きたいから
チケットは要りません

っていう子供に感動しろ
ほら泣けっていう台本って
作った人は壊滅的にセンスないんだ
と思ったね。

クリエイティブなセンスではなく
企業が出すメッセージ性の影響力が
どんなもんなのかっていうことを
察知する嗅覚ね。

この「多様性の排除」って
日本のナショナルフラッグであり
グローバル企業のANAって会社が
出すメッセージとしては
非常によろしくない。

んじゃないかって気がつけない
センスのなさね。

これ昭和の時代なら許されましたけど
今年は2016でっせ。
作った奴の考え方がレトロ過ぎ。

ANAみたいな企業こそ
多様性を認めるというメッセージを
一番出さないといけない
立場にあるんじゃないか?

なぜなら
飛行機には本当にいろんな事情を抱えた人が乗るんだから。



幸せな人も、不幸な人も
いろんな人種も、いろんな宗教も
老若男女、LGBT
それを分け隔てなく受け入れますっていうべき
立場の航空会社ですよ。ANAは。

しかし、ANAが企業としてアピールする
旅作のwebムービーが
ポリティカルコレクトネスを
完無視ってのは
あまりに2016年の作品としては
幼稚すぎやしないかと思うの。

もちろん
ポリティカルコレクトネスを声高に叫びすぎた
アメリカが疲弊しきってる現状を見ると
すぐにポリコレを出して話をするのは
どうかとも思うけど、

そこを加味しても
ANAよ、いやさすがにもうちょっと
いろんな家族の多様性に配慮があっても
よかったんじゃないか?
って思うレベルなのよね。

ANAほどのグローバル進出した企業ならなおさら。
国内の企業のどこよりも
家族の形には配慮があってしかるべきなのだから。


「子供達さすがの空想力で
いろんな答えがあって微笑ましかったです。
そんな子供達の夢をANAは応援します。」

ってオチならまだしも

チケットを返しました。
誰もチケットを貰いませんでした。
だって家族全員で行けないと意味がないから!(きりっ)
てオチにするの
最悪だと思うんですわ。

「エーエヌエーのかんがえるさいきょうのこども」
チケットを完成させない思いやりのある子供で

「家族のために旅行にはいかないで
チケットを返す子供っていい子ですよね〜」


ってのはグローバルな企業が出す
メッセージとしては
あまりにお粗末で情けなくないか?


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で、さっきなんで
私がまず最初に
ANAの現場のスタッフにお礼を書いたか。

それは
現場は本当に本当に感心するくらい
「乗客に寄り添ったサービス」が
ちゃんと出来てるからです。

私がANAに本格的に乗り出したのは
2004年にSFCになってからで
まだ12年くらい。それまでは
JGCでもあるんでJALばかり。

もちろんJALとANAだけじゃなく
今日まで、いろんなエアラインを
満遍なく使ってるのは皆様もご存知のところ。

で、いろいろなエアラインを使った結果
ANAのスタッフの乗客へ対する
共感力の高さというのに
すごく感心してるのだ。

ANAの現場スタッフは
乗客と一緒になっていろんな感情を
共有してくれるからいろいろ困ってる時に
不安感が拭われてホッとするのよね。

たとえ問題がその場で解決しなくても、
この「感情の共有」をしてくれただけで
客は救われることも多いのだよ。

現場のANAスタッフはそれができる人が
とても多い。
だからANAが好きなわけだけど。
これってサービスではとても大事だと思う。

もちろんスキルが低くて
ぽかミスが多かったり
結構いろいろやらかしてくれる事も
実際には多い。

だけど決定的に腹立たしいという
事態にならんのは
この現場のスタッフの共感力が
大いに影響してると思う。

で、この共感力こそが
まさに「多様性への配慮」
そのものなんじゃないのかな
って思うのだ。

飛行機にはいろんな思いを持った
背景を持った人が乗ってくる
現場の人はそれを誰よりも間近で見て
そのそれぞれの多様な背景に寄り添おうと
日々努力してる、
ANAを利用するとその共感力に
すくわれる事もとても多い。


落ち込んで飛行機に乗る日
空港で寂しい別れをした後に乗る日
お祝いでいい気分で乗る日

家族の状況だけでなく
みんないろんな気持ちを
日々抱えて乗ってくるのだ。

現場の人間が一番
「模範解答はひとつじゃない」って
知ってるからこその
あの共感力なんだと思う。


私の今回のANA旅作webムービー
魔法のチケットへの腹立たしさは

この
現場で頑張ってるスタッフが
日々積み上げてきた
多様な旅客に対する共感や寄り添う気持ちを
全部台無しにする内容だったからだ。

現場のあの頑張りを知ってたら
あんなクソな感動ポルノ仕立ての
質の悪いもの出せないはずなのよ。

飛行機はそれぞれのお客様の
人生を運んでるということを
くれぐれもANAは企業として忘れないように
していただきたい。
そうじゃないと現場で頑張ってるスタッフが
報われないと思うのであった。













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