結局人生50歩100歩 じゃないかもしれない。

5:あなたも出来る飛行機からの脱出。「なるべく安全に飛行機から脱出する方法を教えます」ブログ記事

2015-12-06 Sun 13:00
さて、「あなたも出来る飛行機からの脱出」
連続UP五日目の記事でございます。

その前にこれがすごく面白かったので
貼っておく。
今日書く内容と関連してて役立つし、楽しいので
ぜひ見てから記事読んでほしいわ。

デルタの737国際線機材のデモビデオ
80's In Flight Safety Video - Delta Airlines Online Advert


Delta's New In-Flight Safety Video -- Version 5




デルタは面白いの作るね。



今回のテーマは前回申し上げました通り
運悪く自分でドアを開けないとならなくなった場合の
手順です。

今日は一般的な旅客が非常口ドアを自分の判断で
開けなければならない可能性の一番高い機材の
シチュエーションで考えました。

今回着陸失敗したアシアナ航空A320は非常に多くの
エアラインが所有して世界中飛んでいるベストセラー機材。

この機体中央に「窓型タイプの脱出口」がある機材
(B737なども含む)に乗ってることを想定して書きますね。

#大型機材 B777等のメインドアの話は別途書きます。

なぜA320タイプの非常口の開け方を最初に取り上げるかは
ちゃんとした理由がありますので
読み進めていってみてください。


さて、窓型タイプの脱出口を開ける前に
前回四日目で触れた覚えておくべき英単語2つ
頭に入ってますでしょうか?

「でぃっちんぐ」と「えばきゅえーしょん」です。

ここでドアの開け方を説明する前に
飛行機のドア(脱出口)には緊急脱出用の滑り台兼救命ボート
が仕込まれているという事を知っておかねばなりません。

セーフティビデオでも言ってますが
緊急脱出用のスライド(滑り台)というのは
ディッチング(着水)の際は救命ボートにもなる
2way形状のものが多いです。
多いですって書いたのはわざとよ。
全部じゃないの。

前にも述べたが飛行機ってドアの位置する条件で
救命ボートにもなるスライド(滑り台)が設置できるか
それとも簡易(第二義的脱出口と呼ぶ)EXITとなるか
いろいろあるのです。

ちなみに、翼上の脱出口を第二義的脱出口と呼ぶのは
ハドソン川の奇跡で落ちたA320型機なんかがわかりやすい。

あの機材は機体中央の窓型脱出口にはスライドはあっても
それはボートにはならんのだ。
すごーく面倒なことに国際線機材であれば
上の棚(オーバーヘッドビン)に折りたたまれて
水中に投入すると開くボートが設置してあるんで
これをよっこらしょと下ろして、海中に投げ入れる仕様なのだ。
考えただけでも面倒だし、緊急事態にそんな悠長な事をしてる暇
あるんかい!と私も心の中でいつも突っ込んでましたわ。

だから小さい飛行機は嫌なのよ。
とはいえ767ですら機体中央の脱出口はこのタイプで
OVS(国際線)機材の場合ボートは上の棚の中だったんで。
脱出手順が超面倒だな、とおもっておりました。

20151206125000252.jpeg

上に貼った画像は
B767型機材の上の棚の中のボートと
それをR1ドアより海上へ投げ込む仕様を
アメリカン航空のデモビデオから抜粋


丁度ユナイテッド航空の767のセーフティビデオが
youtubeにあったので貼っておきます。
1分7秒あたりをご覧になってくださいませ。

United Airlines NEW safety video (767-300)

https://youtu.be/7r6ayKu0xJI


ディッチングの時は機体中央の窓型非常口は使うなと
はっきりいっておりますね。で、これドメ機材なんで、
上の棚にしまってある予備ボートの説明は無し
(という事は搭載がないタイプの機材です。)


この機体中央の予備の窓型脱出口タイプの機材では
ディッチングの場合、まず後ろと前に乗客をふりわけ
最終的に前も後ろも使えなかったら、この真ん中の窓を外して
翼の上から海/川(水中)に飛び込ませることになっとる。

ハドソン川への緊急着水事故は
ニュース画像がネット上にいっぱい落ちてて、
今でも検索すればたくさん見られるけど、
翼の上の脱出口には救命ボートが設置されておらず。
そしてドメ(国内線)機材だったため予備のボートも
上の棚になかった。

機体後部は浸水が始まっていたため闇雲に開けないことを
乗務員が適切に選択した結果
全員乗せるボートがなかった。
従って、翼の上に脱出した乗客が救助を待って立ってたのだ。

知識が増えると、ただのニュース映像も
意味がわかるようになるので、
過去の事故機の画像を見ると
どういう状況だったか絵解きできるようになりますし、

私が見ると、このサレンバーガー機長とUSエアウェイズの
フライトアテンダント達の優秀さがわかります。
これぞエマージェンシーの授業のお手本教材!と
感心しまくる出来なのです。

本来、全員無事が奇跡ではいけないので、
サレンバーガー機長の有名なお言葉
「訓練してきたことをやっただけ、自慢も感動もない」
ってのは本当によくわかるんです。
これが奇跡だではダメなのよ。普通にできて当然の事。
これを奇跡だと言わない人が機長だったから
この事故は全員無事だったわけです。

と話が脱線気味になりましたが、
ひとつひとつ具体例を見ていかないと
ちょっと難しいことを説明しようとしてるので
その辺はご了承ください。


なかなか脱出口の開け方を教えてもらえないと思ってる方
そうなのですよ。
非常用の脱出口ってそうそう簡単に開けちゃダメなので
だからこそ基礎知識を一生懸命解説してるのであります。

だって、ハドソン川の奇跡だって、
後ろの脱出口を判断を誤り誰かが勝手に開けてたら?
死人が出たでしょうね。って事。
余談のようだけど、非常に大事な話なんです。

さてドアの場所によって救命ボートにはならん
滑り台というのもあるという基礎知識が持てた人は
なぜ「でぃっちんぐ」という状況がわかることが
大事なのか?はもうわかったと思います。

滑走路を滑ってそのまま海中にドボンしちゃった場合
条件が整わないと開けられないEXITがあることを知らないと
大変なことになるからです。

日本の空でも沢山飛んでるA320
スターフライヤーでの使用機材でもありますので
ウェブからシートマップを引っ張ってきました。
この図をご覧いただければ窓型脱出口が
どの辺りにあるのかわかりやすいと思います。

スターフライヤーA320


とくに二義的脱出口であるA320なんかの機体中央の
非常口座席等には乗務員が近くに座ってないので
勘違いした正義感あふれる意識高い人が
援助を了承して座ったがために、
勢いで開けてしまう場合があるかもしれず。
そしてそんなパニックの際には
乗務員は機体真ん中までやってくることはあり得ないでしょう。
てか、混乱状態でそこまで到達できない。

その時、外の状況を見て、適切ではない(着水してる等)
誰かが勝手に開けようとする場合は
そいつを羽交い締めにしてでも止めないといけません。

さあここで、窓型脱出口を外す際のジャッジメントっていう
重要な儀式が出てきます。

自分は機体中央の非常口座席に座ってるけど、
乗務員は前と後ろにしかいない。
判断は自分でしないといけない。
脱出OKのEVAC警報は鳴り響いている。
さあどうする。

まずは前か後ろに逃げましょう。
え?開けないの?と思った方
そりゃそうです、
素人が触らないほうがいいに決まってます。

で、前も後ろもパニックでもう出られん万事休すってなったら
まずは窓の外を確認して頂戴、
すぐに窓型 EXITをはあけてはいけません。

まず窓から外を確認します。
確認することはこの4つ

水位
ディッチングだったら、浸水度合いを見ます。
ドアをオープンできる水位か

スペースがあるか
EXITを解放できるだけのスペースがあるか見ます。
何故ならスライドが膨らむだけのスペースがなかったら
ここからは脱出できません。
例えば翼が折れて機体のほうに干渉してる場合などは
脱出口のドアは開けられないし
フェンスや壁に衝突してドアを開けても
脱出する隙間がなかったりしたら
その脱出口は使えないからスペースがあるかを確認して
開けることは大事なのです。

火災はないか
次は火災が起きてないか?
むやみに開けたら火が機内へ入ってくるかもしれません。
火の中を華麗にスルーして脱出するのは
プリンセステンコーに任せて、他のEXITへ逃げましょう。

燃料は漏れてないか
そして次に燃料が漏洩してないか見ます。
燃料が漏れてたらそこに引火爆発する危険があるので
脱出経路としては不適切です。
これもEXITを開けてはいけない状況です。


この4項目の確認が出来てはじめてEXITを開けてもいいのです。
窓型タイプの脱出口の開け方は座席の前にある
セフティーインストラクションという
安全のしおりみたいなのに書いてあるんで
非常口座席に座った場合は熟読しましょう。

なので、このA320等の飛行機だと
いくらちょっとだけ他の席より足元が広いといっても
非常口座席って、あんまり座りたくないなとおもうのでした。
機体の真ん中の非常口座席はどの非常口にも実は遠いので。

そしてこのエリアには乗務員もいないので
万が一の際に自分が脱出口を開けなきゃいけないんだ
っておもうと気が滅入ります。
壁からこの特殊な窓型ドアを外すのは
今の私の力では無理だし。
ちなみに私がオールエコの時に座るのは最後尾列です。
ファーストがあるときは2列目。
なぜ2列目か。
航空ヲタはアホ1と言って1列目に座りたがりますが、
1列目って危険なのよね。
ギャレイ(飛行機のキッチンみたいなところ)に
機内食を配る重たい鉄のカートが設置されていて
事故の時や、乱気流の際に、乗客がこのカートが吹っ飛んできて
怪我をする例が後を絶たず。
今回のアシアナ航空広島空港着陸失敗事故の際も
一番前の乗客にギャレイから飛び出てきた何かがぶつかって
血を流していたとの乗客の証言もあります。

一番前の席は足元も広いし、前の席も倒れてこない
みたいないい席感覚がありますが、
ギャレイが近ければとても危険な席でもあるので
その辺も覚えておいて損はないでしょう。

参考にしてね。


ここで興味深いことに気がついた私。
このテーマを書き始めて、
youtubeでたくさんの航空会社のセーフティビデオを
検証のため見まくっているんだが、
JALとANAでは端折られて説明がないんだけど、
他の外資系では必ず説明されていることがいくつかある。

それは酸素マスクの装着の順番を必ず自分から、
他の人を手伝うのは後という説明と
機材や非常口の設置場所よる脱出口の開け方の
詳細解説である。

(酸素マスクを使うのはディコンプ(急減圧)の時なので
脱出には関係ない為、別の機会にこの件は触れます。)


ドアの開け方を説明してるかしてないか。
私が見たところユナイテッド航空と
ブリティッシュエアウェイズが非常にわかりやすく
セーフティビデオ内でドアの開閉方法や
ドアを開けたら自動開放する筈のスライド/ラフトが膨らまない時
マニュアルインフレーションハンドルがどこにあって、
それを引っ張ると膨らむという事まで説明していた。
残念なことにBAのは一般旅客が機内で撮影したものしか
youtubeで見つけることができなかったのだが

2分15秒あたりに窓型脱出口の開け方が
アニメーションで流れるので参考に見てみてください。

British Airways A319 safety video



そしてもう1つ
これはパッと見たところ EXITが8つで、翼に干渉する
スライド/ラフトが無く、ドア形状がボーイングなので
777-200であると思われるが

20151206123303a12.jpeg

上記にも抜粋して貼りましたが、
2分27秒あたりにドアの開け方、脱出用スライドラフトが
開かなかった場合のマニアルインフレーションハンドルは
どこにあるかが説明されております。

British Airways safety video

外資某メガキャリアの乗務員の緊急避難訓練では
非常口座席に座る事前に援助を了承した旅客に
緊急事態で自分が使い物にならなかったら
脱出口を操作して開けるように言っておくと言う。
万が一の事態、乗務員が生き残ってる保証はないからね。
セフティービデオでどうやってドア(または窓型EXIT)を
あけるかを解説してるエアラインと
そうでないエアライン
非常に興味深い差だと思ってる。

さて、第五日目の講義はここで終了。
最終回六日目はスライドの滑り方
脱出に適した服装、靴、荷物はどうするか
を解説します。

それまでみなさんはyoutubeで各社の面白い
安全ビデオでも検索して予習復習して待っててください。

それではまた。
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