結局人生50歩100歩 じゃないかもしれない。

3:あなたも出来る飛行機からの脱出。「なるべく安全に飛行機から脱出する方法を教えます」ブログ記事

2015-12-04 Fri 07:30
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VOL1では5つのなぜ?を学び
VOL2では脱出知識いろいろを学んだ訳ですが。
3つ目の知識の習得に行く前に一つ大事なことを
書いておきたい。



以前はこの安全確保にうるさい私ですら、
正直これだけ飛行機に乗ってても
自分が脱出することなんか無いんだろうなって
漠然と思ってた。

しかし最近は全くそうは思えないのだ。
言葉は悪いがあえて使うと
「飛行機って最近やばいよね」って感じてる。

ヤバそうではなく、ヤバいである。

昔は幾重にも重なったエラーが大事故になるって
思ってた。

具体的に言うと事故というものが起こるまでには
いろんな要素が重なることが必要だという考え方だ。

具体的には「ハインリッヒの法則」というのがある。
ヒューマンエラーマネジメントを学んだことのある
人は知ってると思うが、

ひとつの大きな事故が起きるには
その裏に29の軽微な事故
そして300のヒヤリハット
(ヒヤッとするとかはっとする程度の
気にしていなければ気付かないような
事故には至ってないもの)

だからどこかで必ずエラーチェーンは切ることができる
って私は信じていた。
だけど、最近はほんの些細なエラーが重なっただけで
飛行機は事故を起こし、
墜落するし、オーバーランするし、着陸失敗する。

いろんなことが重ならなくても
いきなり重大事故に至る感覚だ。

いままではそんなことはあり得なかった。

それこそ幾重にも立ちはだかる
安全装置が作動して、
事故というものは未然に防ぐことが出来ていた。

だって結局は最後は人の手が
エラーのチェーンを切っていたのだから。
そりゃ防げていたよね。

だけどどうしたことだろう、
ここ数年の航空機事故やインシデント

これってちゃんとやってればエラーチェーンは
そう苦労なく切れたよね?
ってのがざくざく出てくる。

こんなに即事故になってしまうのは何故なのか?

答えは簡単だ。
乗客の命をちゃんと守るほど、航空会社のパイロットは
ちゃんと休息も給料も貰ってないのである。
その上、会社からは「お前の代わりはいくらでもいる」と
使い捨てにされる。

ちょうどネットで面白い話を見かけた。
ヨーロッパでの笑い話だ、

その話はこうだ。宝石が盗まれた。実は警報機が鳴ったけど
警備員は外だけ見て中までは確認しなかった。
結局、中の宝石は盗まれた。警備員に話を聞いたところ
「中を確認するほど給料を貰ってない」と言った
というオチだ。

この話が本当か嘘かはこの際どうでもいい。

「そこまで仕事をちゃんとする程給料をもらってない」
雇われてる側から言わせればこうなる。
要するに、仕事に見合った給料を雇用側が出してないのだ。

これは笑い話ではない
実はとても大事な話だ。

この話を見て素直に笑えなかったよね。
パイロットだって同じだ。
乗客の命を守るほど、お給料もらってないし
待遇も良くないんだよ。って現実。

某パイロットのぼやきを耳にしたことがある
彼がいうにはステイ先のホテルに
せめて遮光カーテンが欲しいと言うのだ。
安いビジホにステイすると、
仮眠を取ろうにもカーテンが遮光カーテンですらなく
うまく眠れないからとのことだった。

この話を聞いて、
帝国ホテルのスイートルームに泊まらせてやれとは
思わないが、最低限仕事をする人が求める環境は
与えてやるべきではないか、と
非常にもんもんとした気持ちが残った、

彼がオフィスワーカーなら遮光カーテンがなく
眠れなかったせいで、数百人の命が失われることは
そんなにないだろう、
しかし、彼はパイロットなのだ、
操縦中に眠気に襲われても、
車じゃあるまいし、パーキングに止めて
仮眠するわけにいかない。

丁度、パイロットやるよりタコベルの店員の方が
稼ぎがいいというアメリカの話は
数年前のマイケルムーア監督の
「キャピタリズムマネーは踊る」で取り上げられていたが

参考までに
元ANAのCAで今は健康社会学者の河合薫さんが書いた

独機墜落で露呈した“人命無視”の負のスパイラル
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20150403/279577/?n_cid=nbpnbo_nbotw_top
#日経ビジネスオンライン

を読むとよくわかる。

ここには詳しく今のパイロットが置かれている状況が
わかりやすく書かれているので参考に一度読んでほしい。
そして、私がこの河合さんの意見に大きく同意したのは
この部分だ。

引用
「アナタは我が社にとって、大事な人」という
企業からのメッセージが、忠誠心や帰属意識を育み、
“僕たち”の任務を誇りに努力する、
プロフェッショナルな人材を育てた

引用終わり



別に航空会社だけに限ったことではない。
いま、2015年に於いて
「あなたは我が社にとって大事な人です」という
メッセージを受け取れてる人なんか皆無なんじゃないか?

「大事にしているよ」と口ではうまいこと言いながら、
労働条件を極限まで悪くし、働いた対価は最小限で、
労働力だけ最大限出せ、結果を出せと言うような会社からは
「あなたを大事にしている」などというメッセージを
絶対に感じ取ることは不可能だ。

何故なら待遇こそが、会社からの
「あなたが大事」のメッセージなのだから。

自分のことを粗末に扱う会社に対して忠誠心など芽生えないし
帰属意識なんて持てるはずもない。
第一自分の仕事に誇りが持てないことは容易に想像がつく。

最近の航空機の事故って、
ここぞっていう時に安全を守るという気持ちが
この会社への忠誠心や帰属意識がないゆえに
蔑ろにされてる気がしてならない。

エラーチェーンが切れない理由は
この辺にあるんじゃないか。

それこそ、
「エラーを気にしてチェーンを率先して切るほど
休ませてももらえてないし、給料ももらってないんだよね」
という話だ。

はっきり言おう
命を預かる乗務員の仕事と言うのは
最後は自分を大事にする気持ちなんだけど、
これだけ会社から粗末に扱われると、
自分のことももう大事だと思えなくなる。
そうするとエラーチェーンを切ろうなんて
そんな気持ちも無くなってしまうって事。

人は命の重さを無意識に自分の価値の重さを基準に
算出しているんだと思う。
ということは
粗末に扱われてる人間が自分の価値を
軽く見積もるのは当然のことで、
自分の価値を軽く思ってる人に
その他大勢の命の価値を感じろと言っても
それは無理な相談だ、


航空会社の経費削減ってそろそろ限界なんじゃなかろうか。
社員の頑張りと努力でコストカットを達成するとかでは、
命を預かるという特殊性を考えるとやはり愚かしいと思う。

とは言えすぐに改善が期待される問題でもないので、
離着陸時の突発的な脱出に備えた搭乗って尚更必要になってくる
自分の身は自分で守る的な。ね

今迄は機内で何か起こったら
乗務員の指示に従えばいいと
私も思ってた。
下手に素人が中途半端な知識をつけて
脱出口を開けられてたりしたら
犠牲者が増えるというリスクもある、

実際各航空会社は非常口座席に座らせた客に
「お手伝い」という名の援助は頼むけど。
ドア開放などはやらせない方針だ。

開けてはいけないシチュエーションはあり、
乗務員は訓練でこのジャッジメントを
繰り返し繰り返し訓練している。

筈だった。

はずだったんだよ。
過去形。

最近の事故の際の脱出で乗務員は使い物にならない
と言う声が多数ある、

もちろん、飛行機を落っことさないような
ちゃんとした会社の乗務員のスキルは
良いのであろう。
そもそも飛行機を落っことさないんだからね

と言うことは
飛行機を落っことしちゃうような会社の
乗務員のスキルは、飛行機を落っことすような
スキルであるということだ、

当たり前だけど、
けっこうここ盲点じゃない?

で、落っこちた飛行機にのってる場合。
多分、乗務員は使い物にならんのである。

すごい事に気がついた私

となると、
乗務員が冷静に避難誘導をして、
脱出口のドアを的確に開けてくれない確率はあがる。

ならば、自分で助かる方法は開示してしまえ。
と思ったわけです。

昨日アップした記事の中で
翼上の脱出口だけ形状が違うと書いた。
私の中では特別なことでもなんでもない
しかし、ツイッターでのツイートを見ると
一般旅客は1つの飛行機の中で、多様な形状の脱出口が
存在していることにあまり気がついていない
という事もわかった。

脱出するドアの形状は、ボーイングとエアバスでも異なるし
同じボーイングでも777、747、787、767,737と
すべて異なるのだ。
そして、ステーションと呼ばれる、ドアの場所でも
それぞれ違うドアの形状になってたりする。

故に、客室乗務員は機材ごとに乗務資格を得るのだが
その乗務資格試験のメインは、各機材の各箇所のドアの開け方を
徹底的に覚えることそのものだったりする。
そして、ベリーランディング(胴体着陸)なのか、
ディッチング(着水)なのかでも
ドアの開け方の条件は変わるし、非常に複雑なことになってる。

全部を網羅するのは難しいので、
基本的な知識だけ開示して、
あとはそこから導ける最適解を
緊急時に選択してほしいなとおもってる。

だって、前提条件も知らずに何かするのは
あまりに危険すぎるから。

100%の安全はない。
だったら、100%の安全により近付く為に
1%をコツコツ積みあげるしかないんだから。



それではVOL4でお会いしましょう。

「あなたもできる飛行機からの脱出」を
初めから読みたい方は
Vol1からどうぞ


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